「天使」と「悪魔」がよくわかる本 ミカエル、ルシファーからティアマト、毘沙門天まで (PHP文庫)

「天使」と「悪魔」がよくわかる本 ミカエル、ルシファーからティアマト、毘沙門天まで (PHP文庫)目的次第
こんなに沢山の天使・悪魔がいて、それぞれの名前と簡単な役割がわかるという点においては優れていると思う。

ただ、深い知識が得たい人には向いていないだろう。

どちらかというと「目次」的な本。

イラストについては賛否両論わかれるが、電車の中で読むにはかなり抵抗があり個人的には辛かった。

イラストのスペース分、詳細な内容が書けるのでは、とも。

INDEX、入門書としては悪くないが
INDEXや入門書としては悪くはないけれど、

「これならアトラスのゲームの攻略本買った方がまだ詳しかったかも。」

という内容です。

イラストにしても、下手ではないが、想像力を描きたてるようなものではないし、資料文献からの引用でもない。

一番問題なのは、著述者の妄想なのか、歴史的に言われていることなのか、の判別が難しいこと。まぁ何を書き連ねても所詮はフィクションだから、といえなくはないが。

宗教や歴史などに対する考察が浅く、攻略本ですら、

「XXXの土着信仰の神がキリスト教により貶められたと考えられる」

と由来に対する記述が書かれているが、本書はそういう見方が浅薄。

西方、東方というアバウトな「括り」をつけるのは仕方がないが、このような神話、宗教関連のフィクションを語るなら、背景は「キリスト教」「仏教」「ゾロアスター教」といった狭義宗教から取るのではなく、文明、文化、地域性、などの民族学的背景に触れないと薄くなる。

バール、バエル、ベルゼブル、ベルゼブブの類似性や相違を取り上げているところはカイだが、これを語るならやはり背景を語らないと無理。

「マタイ?から」というのではなく、その「マタイ?」がどういう思想思考集団によって作られたものなのかまでいっておかないと。

例えば名前の類似性を語るのには、やはり日本語表記では限界があると思うが、カタカナで押し切っているあたりがなんだかなぁ。

いろいろ言ったところで、答えなどないのだから、せめて歴史的資料からの図版くらい載せてほしいものだ。

ソロモンの○柱の悪魔を語るなら、せめて紋章だけでも書けば?。

参考文献も、二番煎じ、三番煎じの文献が多く書かれていて、遡って資料を調べて出版しているのではなく、入手できる「日本語」資料の寄せ集め的な感じ。

ライトなファンタジー好きに
本書で紹介されている天使や悪魔は、小説やアニメやゲームで「名前だけは聞いたことがある」というものが多いです。ざっと目次を眺めるだけでもラファエル、アズラエル、ラミエル、アスモデウス、ラミア、アプサラス、バハムトなど…

そこで本書を読んでみると、実際とはずいぶんかけ離れた使い方、名前だけがなんとなく使われてるだけの作品と、逆に非常に深い意匠を持って使っている、深い意味を持たせて使っている作品が区別できるようになり(もちろんそれだけが作品の優劣を決めるものではありませんが)天使や悪魔が出てくるファンタジー小説やアニメ、ゲームなどがより一層楽しめるようになります。

ファンタジー好きなら読んで楽しいこと間違い無しのオススメの一冊です。
「天使」と「悪魔」がよくわかる本 ミカエル、ルシファーからティアマト、毘沙門天まで (PHP文庫)

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