ハチャメチャな行動の裏側

ハチャメチャな行動の裏側フランシス・フォード・コッポラが、十年来、映画化しようとしているが、確固たる脚本が得られず実現できていない作品です。

五部構成からなるこの作品の第一部から第四部までは、それぞれアメリカを横断、縦断する語り手サルとディーンの放浪の物語です。

それは、「退屈な知識人」による既存の価値観に対する反攻の物語です。
安住の地を求めず、その時々の刹那的な「幸福」を求めての旅です。彼らは、街に行き着く度毎に馬鹿騒ぎをし、場合によっては、不法な事も構うことはありません。酒、薬、女、そして激しい音楽が、彼らを徹底的に乗せるのです。

サルは、ディーンを崇拝しています。ディーンは、時に狂気を示し、迷惑をかけます。それでも惹かれてゆく何かが、ディーンにはあります。
この本の中には「ヒップスター」と言う言葉が、頻繁に登場します。この意味は、「正業につかず、なにをやっているんだかよくわからない、ぶらぶら遊んでいるやつ」と言うことだそうです。でもサルは彼にそれ以上のものを見ているのでしょう。
それは、既存のものからの独立性なのかも知れません。そうした状況で生きてゆく勇気なのかも知れません。或いは、時代を先取りした先験的な生き方を見ていたのかも知れません。

訳者によると、「鋭い語感」が作者の特徴だそうです。表面的な意味と、その裏側にある意味とを巧みに使いこなしていると言うことです。
この物語を読んでいると、物語自身が表面的な物語の裏に何があるかが問題なような気がします。彼らのハチャメチャな行動の裏に何を感じ取るかが大切なのかも知れません。

河出書房の英断に拍手河出書房新社の創業120周年記念として企画された「世界文学全集」。その第一回配本の名に恥じない名作です。
作品には作者のケルアックのみならず、ウイリアム・バロウズやアレン・ギンズバーグなどなど、ビートゼネレーションを代表する作家たちがモデルとなって登場し、作品世界を走り抜けます。
旧訳も悪くはないですが、新訳が本当に魅力的で、内容の薄い昨今のベストセラー作品とは全く違った深くて忘れがたい読書体験を下支えします。
世界文学全集は商売にならないということでどの出版社も二の足をふんでいましたが、やはり老舗がやってくれました。河出書房新社の英断にも拍手したいです。

え、こんな本が永遠の青春の書? 「路上」が出版されたのは、約半世紀前のことらしいが、今回”On The Road”(オン ザ ロード)なる英語名そのままで新らしい翻訳を出したのは正解だった。「路上」では、ある地点に留まっている感じがするが、「オン ザ ロード」では、まさしくこの小説そのまま突っ走っている状態があっていい。ぼく(=サル)と親友デイーンとの「すけこましヒッチハイク」のあらましを、スピード感あふれる日本語の文体で訳し続けている。ディーン、彼は次から次から女をひっかえる万年勃起男、小説の冒頭には、メリールウと結婚してすぐ別れ、次には、カミールに子供を生ませ、飽きるとまたメリーちゃんに戻り、イネズなるあばずれが出てきたと思うと、結局カミールちゃんと落ち着いてしまったような・・・・。
 
 これが、ビートジェネレーションを代表する永遠の青春小説といわれている、この二人とニューヨーク、デンバー、フリスコ、メヒコへの旅を同行体験する、ここに描かれている青春はなんて自由なんだ、だから、「世界文学全集」の一冊に選んだというのが、編集者池澤夏樹の言い分であるが、私が、★5つをつけたのは、単純に面白かったから。この本を読んで田舎から出て来る気にさせたボブ・ディランのファンだから、それに、ジョージ・シアリング、レスタ・?ヤング、チャーリー・パーカー、スタン・ゲッツ、ディジー・ガレスピーなるジャズの錚々たる名前がちらほら出てくる、彼らのライブの雰囲気を描いてくれているからである。永遠の青春小説にはどう転んでもまずなり得ないが、20世紀ジャズの息吹を21世紀に確実に伝えている点は評価できる。
オン・ザ・ロード (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1) (世界文学全集 1-1)

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